働き方
建設業の残業上限は? 2024年4月からの時間外労働の上限規制と求人票の見方
※この記事にはアフィリエイト広告(成果報酬型広告)を含む場合があります。確認日:2026年10月27日
結論
- 建設業にも2024年4月から時間外労働の上限規制が適用されています。原則は月45時間・年360時間です。
- 特別な事情があって労使で合意(特別条項)しても、年720時間以内、月100時間未満(休日労働を含む)、2〜6か月の平均80時間以内(休日労働を含む)、月45時間を超えるのは年6か月までです。
- 例外は「災害時における復旧及び復興の事業」で、月100時間未満・平均80時間以内のルールが適用されません。求人票の「残業 月○時間」は、平均か、固定残業代の時間かを確かめてください。
上限規制の中身
まず言葉をそろえます。時間外労働は、法律で決まった労働時間(1日8時間・1週40時間)を超えて働いた時間です。休日労働は、法律で決まった休日(1週1日または4週4日)に働いた時間です。会社が残業をさせるには、労働者の代表と「36(さぶろく)協定」を結び、労働基準監督署に届け出る必要があります。
| ルール | 上限 | 休日労働を含むか |
|---|---|---|
| 原則(限度時間) | 月45時間・年360時間 | 含まない |
| 特別条項:1年 | 年720時間以内 | 含まない |
| 特別条項:1か月 | 100時間未満 | 含む |
| 特別条項:2〜6か月の平均 | どの期間でも80時間以内 | 含む |
| 特別条項:月45時間を超える回数 | 年6か月まで | — |
出典:厚生労働省「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制」、同「建設業の時間外労働の上限規制に関するQ&A」。
厚生労働省のQ&Aでは、36協定がないのに残業させた場合や、協定の時間を超えた場合などは労働基準法違反になると説明されています。罰則は、2025年6月1日の刑法改正の施行で「懲役」が「拘禁刑」に変わり、現在の労働基準法第119条では「6か月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金」です(Q&Aは改正前の表記)。
なお、同じ会社の中で転勤した場合、月100時間未満・平均80時間以内のルールは、その人の労働時間を通して数えるとされています。
建設業の例外(災害の復旧・復興)
厚生労働省は、建設業は「災害時における復旧及び復興の事業を除き」原則どおり上限規制が適用されると説明しています。
- 災害の復旧・復興の事業:被害を受けた道路や施設を元に戻すために発注された工事などです。この事業には、月100時間未満と2〜6か月平均80時間以内のルールが適用されません。ただし、Q&Aでは、年720時間以内と、月45時間を超えるのは年6回までのルールは適用されるとしています。
- 災害など避けられない臨時の必要:地震や風水害などで人命や公益を守る必要があるときは、手続きをすれば36協定の範囲を超えて働かせることができます(労働基準法第33条)。単なる忙しさは当たりません。
Q&Aでは、使用者の指示ですぐ作業に入れるよう現場で待つ「手待ち時間」や、義務になっている安全教育の時間は、労働時間に当たると説明されています。
求人票の「残業 月○時間」の読み方
求人票には「時間外労働の有無」を書く決まりがあります。数字を見るときは、次の点を確かめてください。
| 求人票の書き方 | 確かめること |
|---|---|
| 「残業 月平均20時間」 | 会社全体か、施工管理職だけか。繁忙期の最大は何時間か |
| 「固定残業代 30時間分 含む」 | 基本給はいくらか。超えた分は追加で払われるか |
| 「特別条項あり」 | 月45時間を超える月が年に何回あったか |
| 「休日出勤あり」 | 休日労働の時間は月の上限(100時間未満)に入るため、合わせて何時間か |
固定残業代について、厚生労働省は求人で「基本給(手当を除く額)」「何時間分の時間外手当としていくら払うか」「その時間を超えた分は追加で払うこと」を書く必要があると案内しています。この3つがそろっていない求人は、面接で確認しましょう。
「施工管理職の昨年度の月平均の残業時間と、最も多かった月の時間」「36協定の特別条項の時間」「現場への移動や待機の時間をどう扱っているか」
残業の時間と年収を合わせて比べるには、求人票の比較ツールで1時間あたりの金額を出せます。休日の比べ方は「4週8休・週休2日の求人を見分ける」にまとめています。
よくある質問
Q. 月45時間を超えたら、すぐ違反ですか?
A. 特別条項付きの36協定があれば、年6か月までは月45時間を超えられます。ただし年720時間、月100時間未満、平均80時間以内などの上限は守る必要があります。
Q. 休日出勤の時間は年360時間に入りますか?
A. 厚生労働省のQ&Aでは、月45時間・年360時間の限度時間は時間外労働だけが対象で、休日労働は含みません。一方、月100時間未満と平均80時間以内は、休日労働を含めて数えます。
Q. 下請の会社でも上限規制は同じですか?
A. 厚生労働省のQ&Aでは、建設の事業や、主な事業が建設の事業である企業の事業場などが対象とされています。元請か下請かで上限の数字が変わるという説明はありません。