資格
監理技術者・主任技術者の兼任特例(2024年12月〜)|「2現場担当」の求人の見分け方
※この記事にはアフィリエイト広告(成果報酬型広告)を含む場合があります。確認日:2026年10月27日
結論
- 2024年12月13日から、請負代金1億円未満(建築一式工事は2億円未満)の工事なら、条件を満たせば専任が必要な監理技術者・主任技術者が2現場まで兼任できるようになりました。営業所技術者(旧 専任技術者)も1現場まで兼務できます。
- 2025年2月1日から、技術者の専任が必要になる請負代金の下限が4,500万円(建築一式工事は9,000万円)に上がりました。監理技術者の配置が必要な下請代金の下限も5,000万円(建築一式工事は8,000万円)になりました。
- 働く側は「担当は何現場か」「連絡員はいるか」「現場間の移動時間」「兼任の手当」「ICT機器の支給」を求人票と面接で確かめると、負担の大きさを比べやすくなります。
兼任特例の条件(2024年12月13日施行)
専任とは「その工事現場だけを担当すること」です。これまで、一定額以上の工事では技術者が他の現場を持てませんでした。改正建設業法で、次の条件をすべて満たせば兼任できるようになりました。
| 条件 | 監理技術者・主任技術者の兼任 | 営業所技術者の現場兼務 |
|---|---|---|
| 請負代金 | 1億円未満(建築一式は2億円未満) | 1億円未満(建築一式は2億円未満) |
| 兼ねられる数 | 2現場まで | 1現場 |
| 距離 | 1日の勤務時間内に巡回でき、現場間の移動時間が片道おおむね2時間以内 | |
| 下請の次数 | 3次まで | |
| 連絡員 | 技術者との連絡などを行う人を置く(土木一式・建築一式は、その工事の実務経験1年以上) | |
| ICT | 施工体制を確認できる情報通信技術の措置と、現場の状況を確認する情報通信機器の設置 | |
| 書類 | 人員の配置を示す計画書の作成・保存(参考様式は国土交通省のホームページに掲載) | |
| その他 | ― | その営業所で契約した工事であること |
営業所技術者は、営業所に常にいる必要がある技術者です。この特例で、条件付きで1現場の技術者を兼ねられるようになりました。
2025年2月1日の金額の見直し
建設業法施行令の改正で、技術者の配置などにかかわる金額要件が引き上げられました。
| 項目 | 改正前 | 2025年2月1日から |
|---|---|---|
| 技術者の専任が必要な請負代金の下限 | 4,000万円(建築一式 8,000万円) | 4,500万円(建築一式 9,000万円) |
| 特定建設業許可・監理技術者の配置が必要な下請代金の下限 | 4,500万円(建築一式 7,000万円) | 5,000万円(建築一式 8,000万円) |
| 施工体制台帳の作成が必要な下請代金の下限 | 4,500万円(建築一式 7,000万円) | 5,000万円(建築一式 8,000万円) |
| 特定専門工事の下請代金の上限 | 4,000万円 | 4,500万円 |
つまり、兼任特例がかかわるのは「専任が必要(4,500万円以上、建築一式は9,000万円以上)で、1億円未満(建築一式は2億円未満)」の工事です。転職サイトの記事には、改正前の「4,000万円」「4,500万円」のまま書かれているものもあるので、日付を確かめて読みましょう。
監理技術者の配置や資格の基本は「監理技術者の要件」にまとめています。
「2現場担当」の求人で確かめること
特例は会社にとって人手不足を補う手段ですが、働く側から見ると1人の担当が増えることもあります。求人票と面接で、次の点を確かめると比べやすくなります。
| 確認項目 | 見るところ・聞き方の例 |
|---|---|
| 担当現場の数 | 「配属後、同時に担当する現場は通常いくつですか。兼任特例を使う予定はありますか」 |
| 連絡員 | 「兼任のとき、各現場に連絡員は置かれますか。どの立場の人ですか」 |
| 移動時間 | 「現場と現場、現場と営業所の移動は車で何分くらいですか」。移動は労働時間の扱いも確認 |
| ICT機器 | 「ウェアラブルカメラやタブレットなど、遠隔で確認する機器は会社が用意しますか」 |
| 手当 | 「兼任の現場手当は現場ごとに出ますか」。手当は残業代の計算の基礎に入るかも確認 |
| 営業所兼務 | 求人票に「営業所兼務」「専任技術者」とあれば、現場との兼務の有無と頻度 |
現場が2つになると、移動時間が増えます。年収だけでなく、移動を含めた拘束時間で時給を比べるにはトップの条件比較ツールが使えます。手当と残業代の関係は「現場手当・資格手当は残業代に入る?」を参考にしてください。
兼任の扱いは、国や自治体などの発注者が独自の基準を設けている場合があります。公共工事が多い会社なら、主な発注者の通知(例:都道府県・市の配置技術者の取扱い)もあわせて確かめましょう。
よくある質問
Q. 兼任特例で3現場を担当することはできますか。
A. 監理技術者・主任技術者の兼任特例で兼ねられるのは2現場までです。請負代金が専任の下限(4,500万円、建築一式は9,000万円)未満の現場は、もともと専任が求められていません。
Q. 連絡員に資格は必要ですか。
A. 土木一式工事・建築一式工事では、その工事の種類の実務経験1年以上が求められています。それ以外の工事について、資格の条件は今回確認した資料には示されていません。
Q. 営業所の専任技術者と現場を兼ねる求人は違法ではありませんか。
A. 2024年12月からは、その営業所で契約した1億円未満(建築一式は2億円未満)の工事1現場などの条件を満たせば、兼務できるとされています。条件を満たしているかは会社に確認しましょう。