資格
施工管理技士は会社にとって何点? 経審の技術職員点数で見る資格の値段と年収交渉
※この記事にはアフィリエイト広告(成果報酬型広告)を含む場合があります。確認日:2026年10月27日
結論
- 公共工事の入札に参加する建設会社は、経営事項審査(経審)を受けます。その中の「技術職員数」では、資格ごとに1級で監理技術者講習を受けた人6点、1級5点、監理技術者補佐(1級技士補)4点、基幹技能者など3点、2級2点、その他1点と数えます。
- 1人を数えられるのは2業種までで、6か月を超える雇用の確認が必要です。資格を持つ人を採用すると、会社の点数がその分だけ増える仕組みです。
- だから資格手当や資格者の年収が高めに設定されやすい、という会社側の理由があります。内定時は「自分の資格で何業種・何点になるか」を具体的に示すと、年収交渉の根拠になります。
経審の「技術職員数」とは
経審は、公共工事を元請けで受けたい建設業者が受ける審査です。結果は総合評定値(P点)という点数で出て、国や自治体の入札参加資格の格付けなどに使われます。
P点は次の式で計算されます。
| 項目 | 中身 | ウエイト |
|---|---|---|
| X1 | 完成工事高 | 0.25 |
| X2 | 自己資本額と利払前税引前償却前利益 | 0.15 |
| Y | 経営状況 | 0.20 |
| Z | 技術力(技術職員数と元請完成工事高) | 0.25 |
| W | その他の審査項目(社会性等) | 0.15 |
P=0.25X1+0.15X2+0.20Y+0.25Z+0.15W。技術職員数は、このうちZ(技術力)の材料になります。業種ごとに、在籍する技術職員の点数を合計して評価します。
資格ごとの点数
| 区分 | 主な対象 | 点数 |
|---|---|---|
| 1級監理受講者 | 1級の国家資格者で、監理技術者資格者証を持ち、監理技術者講習を受けている人 | 6点 |
| 1級技術者 | 上記以外の1級国家資格者(1級施工管理技士など)、技術士 | 5点 |
| 監理技術者補佐 | 1級技士補(1級の第一次検定合格者)で、その業種の主任技術者の要件(2級の資格や実務経験など)も満たす人 | 4点 |
| 基幹技能者など | 登録基幹技能者講習の修了者、レベル4技能者 | 3点 |
| 2級技術者 | 2級国家資格者(2級施工管理技士など)、1級技能士、レベル3技能者など | 2点 |
| その他技術者 | 実務経験による主任技術者の要件を満たす人など | 1点 |
同じ業種で複数の資格を持っていても、数えるのは一番高い区分だけです。たとえば1級建築施工管理技士で監理技術者講習を受けた人は、建築一式で6点になります。
1級技士補は、2021年4月から監理技術者補佐として4点で数えられるようになりました。国土交通省関東地方整備局の資料では、1級技士補の資格だけでは監理技術者補佐にならず、主任技術者の要件(2級国家資格、または実務経験など)も満たす必要があると説明されています。4点で数えられるのは、その1級技士補に対応する業種で、かつ主任技術者の要件も満たす業種です。指定建設業(土木一式・建築一式・電気・管など7業種)と電気通信工事では、実務経験で主任技術者の要件を満たす方法に制限があります。2級の資格がなく実務経験で申請する場合は、会社や審査窓口に確認しましょう。
数え方のルール
- 1人2業種まで:1人の職員を技術職員として申請できる業種は2つまでです。たとえば「建築一式」と「内装仕上」のように、2業種で点数になります。
- 6か月を超える雇用:審査基準日より前から6か月を超えて雇用されていることを、保険の記録などで示す必要があります。入社してすぐの人は、次の審査まで点数にならない場合があります。
会社が資格者にお金を払う理由
技術職員の点数が上がるとZ(技術力)が上がり、P点を通じて入札の格付けに影響します。さらに、一定額以上の工事では監理技術者・主任技術者を置く必要があり、資格を持つ人がいないと受けられる工事が限られます(詳しくは「監理技術者の要件」と「兼任特例」)。
この2つが、資格手当(「資格手当の相場の見方」)や、資格者向け求人の年収が高めに設定されやすい会社側の理由です。ただし、点数1点あたりの金額といった公的な目安はありません。手当の額は会社ごとに違います。
内定時の年収交渉に使う言い方
資格の価値を「何点・何業種」で具体的に伝えると、話がかみ合いやすくなります。
- 自分の点数を整理する:資格名、監理技術者資格者証と講習の有無、数えられる業種(2つまで)。
- 会社の業種と合わせる:応募先が許可を持つ業種、公共工事の割合を求人票や会社案内で確認。
- 伝え方の例:「1級土木施工管理技士で、監理技術者講習を受けています。御社の土木一式と、とび・土工の2業種で技術職員として数えられると考えています。資格手当と年収の設定にご配慮いただけないでしょうか」
- 受験予定も伝える:1級技士補の人は「第二次検定に合格すると5点、講習を受けると6点になります」と、今後の上がり幅も示せます。試験日程は試験日程・合格率一覧で確認できます。
よくある質問
Q. 2級を2つ持っていると、1級1つより点数が高くなりますか。
A. 2級を2業種で数えると、2点+2点で計4点です。1級1つは1業種で5点(講習受講で6点)です。どちらが会社に合うかは、会社が許可を持つ業種によります。
Q. 派遣社員でも技術職員として数えられますか。
A. 審査では6か月を超える恒常的な雇用の確認が求められます。雇用の形と数え方は、審査窓口の手引きで確認してください。雇用形態の違いは「派遣と正社員の比べ方」も参考にしてください。